信濃史学会  
     
  2010年度 定期総会の報告  
     
 
 2010(平成22)年度の本会定期総会が5月29日(土)、松本市あがたの森文化会館を会場に開催されました。
 当日は、午前中に評議員会と総委員会の合同会議が行われ、本会の現状と抱える課題への対応等に活発な意
見交換がなされました。
 本年度の総会は、通常の議題のほか3年に一度の役員改選にあたります。開会は午後1時、全体の進行・司会
を小松芳郎副委員長と原良通事業部長が担当しました。

委員長挨拶の要旨
 開会の辞は後藤芳孝副委員長が行い、引き続き山浦寿委員長から委員長挨拶がありました。山浦委員長は挨
拶のなかで、委員長を引き受けて3年が過ぎ、ようやく会運営が軌道に乗ってきたこと。その一方で、委員長職
と事務局(事務所)・会誌編集責任者という3本の柱が一人の役員に、いわば一極集中になったことから生じて
いる課題に触れました。また、会費の滞納などを原因とする本会財政の悪化問題については、改善の兆しが見
えつつも、会員の減少に歯止めがかからない状況に伴う財政規模の縮小などの問題について報告しました。
 次の3年に向かっては、『信濃』誌面をさらに工夫して会員の要望に応える努力を続けるとともに、故一志茂
樹会長が掲げた地方史研究に対する本会の高い理念をさらに追究していきたい。フェードアウトすることのな
いよう様々な困難を乗り越えていきたいと決意を語りました。

議事について
 総会の議事は今牧久評議員会議長と荒井和比古会計監査員(副議長不在による)によって進められました。
議題は次の通りです。
 一 2009年度事業報告及び決算の承認
 一 2010年度事業計画及び予算の承認
 一 役員改選
 一 その他
 前年度事業報告と本年度事業計画については、各担当部長から報告と提案がありました。 事業部関係は原
部長から。前年度の研究発表会、セミナー、例会等はほぼ計画通りに実施できたが、例年と同様、全体的に参
加者が少なかったことなどの反省が示されました。本年度は新事業「信濃史学会地方史講座」が計画されてい
ることもあり、セミナー等の開催回数を削減する一方、有志による小規模の研究会などを開いていきたいとの
説明がありました。
 会誌編集部関係は山浦部長から。毎月20日の会誌定期発行が計画どおり実現できたこと、各号80頁建てが維
持できたこと、恒例の特集号や小特集を予定どおり組むことができたことなどが報告されました。しかし、特
集号を組む上で執筆者の確保などで苦慮する号もあること、魅力ある誌面づくりを進めるためにも、時勢にあ
った特集号を考えていく必要があること、などの問題点の指摘がありました。また、具体的な取組として、会
誌をより読みやすくするため、本年度は本号(62巻8号)から活字ポイントをやや大きくし、行間もやや広げた
りして体裁を一部変更すること、本会に寄贈された図書類を紹介する「受贈図書紹介」欄を新たに設けること
などが説明されました。
 基金管理運用部関係は後藤部長から。基金管理と運用についての報告と、現行の管理運用規定についての改
定案を評議員会に提案する旨の報告がありました。
 学会連絡部関係は山崎圭部長が所用欠席のため、委員長が代行して報告しました。
 なお、研究・出版部関係は宮下健司部長欠席により、特に報告はなされませんでした。
 次に、一般会計決算報告と予算案について、事務局担当の山浦委員長からありました。 決算関係では、収
入面で会費の納入率が一昨年度に比べて落ち込んだが、背景に景気動向や会員の個人収入減などが影響したと
思われること。また、長期滞納者が増えてきており会財政を圧迫している。他方、支出面では会誌編集刊行費
の占める割合が高く、会財政の硬直化は緩和されなかったこと、などの報告がありました。
 予算関係では、収入面では、事務局として未納会費の回収に力を入れるとともに、会員におかれては定期的
な会費納入を励行されたい旨の要請がありました。また、新たな収入源が見込めない中、基金からの運営資金
の増額に依存せざるを得ない状況となっていること。支出面では、減額できる項目はほとんどなく、諸経費の
節減に継続して努力していきたいこと、などがありました。
 会財政の窮迫化の根本的要因として会員の減少問題があります。事務局として今後とも会員増募に努力して
まいりますが、会員各位にも入会希望者をご紹介くださるなどご協力を切にお願いします。

役員改選・その他について
 2010年度から12年度(平成22年度〜24年度、第十期役員)の役員候補者名簿が委員長から提案され、承認さ
れました。(新役員名簿は後掲)今回は組織上の改編はなく、委員の多くは前期役員が留任しましたが、評議
員については15名中5名が交代しました。
 その他、新事業「信濃史学会地方史講座」の開設が事務局から提案されました。これは地方史研究に強い興
味・関心を持つ市民を対象に、地方史研究の実際例(『信濃』掲載の論稿)をもとに調査研究の方法やポイン
ト等を、講師が回ごと交代するリレー方式で開くもので、1クール6回程度の講座を構想するものです。講師に
は『信濃』に執筆された会員に依頼する予定です。今秋を目途に準備ができ次第開設する方向です。
 今次総会の議案はすべて原案どおり承認されましたが、幾つかの課題が未解決のまま先に送られることとな
りました。
 会計監査を担当した荒井監査員からは「会計監査における所見」として次のような指摘がありました。
(1)改善の見られたこと―本会事務所の事務機器の整備が進んだこと。(2)改善を検討すべきこと―会員
の減少を食い止めるための効果ある方策の検討。会費未納に対する具体的な対策を進めること。(3)基金特
別会計の扱いと健全財政の確立のための検討、などです。

研究発表、記念講演
 総会終了後、会員の高原正文氏から「安曇野市中心市街地の近代史―豊科市街地の生活環境と郡都機能の消
長―」と題する発表がありました。
 引き続き、招待員として東京大学史料編纂所教授で本会会員でもある佐藤孝之氏の記念講演「アジールの変
容と駆込寺」がありました。佐藤氏は、中世社会にあったアジール(人々の救済の場、避難所)が近世になる
と駆込寺に引き継がれていった事実を、信濃の史料も紹介しながら具体的に論証されました。本研究は来年度
の早いうちに『信濃』に掲載される予定です。ご期待ください。
 本日の最後として、松本駅前の「小竹亭」を会場に懇親会が催され、盛会のうちに全日程が終了しました。
 
事務局報告
1.2009年度事業報告
◇ 会員関係…正会員は714名(2010年5月1日現在)、贈呈者(名誉会員など)16名、交換団体45の計774名。
前年度に比し正会員は30名の減(入会者15名、退会者45名)。正会員の長野県内外の内訳は、県内383名(全体
の54%)、県外331名(同46%)。会員の分布は、北海道から沖縄県まで34都道府県に及んでいる。
◇ 会費納入関係…例年どおり6月と12月に会費納入状況通知を発送し、加えて滞納者には随時督促を行った。
また、長期滞納者には送本停止等の措置をとった。
 しかし、6〜7月、12〜1月それぞれの月別納入額は例年を下回り、通年の納入実績も前年度に比べ減額してい
る。
◇ 事務所関係…委員長宅の置いてある事務所を独立事務所にすることは会運営上からも重要なことである
が、経費等がかさみ実現困難な状況にある。また、週3日勤務する事務職員の勤務日が都合上、土曜・日曜日と
木曜日か金曜日が中心になっている。会費等の関係でのお問い合わせ・ご連絡はその日か、書面によっていた
だけるとありがたい。
◇ 本会ホームページを再立ち上げした。担当者の努力により内容も充実してきているので、積極的な活用を
期待したい。

2.2010年度事業計画
◇ 会員の増募、広告募集、会費納入状況の好転、長期滞納の解消等に力を入れていく。
◇ 新事業「信濃史学会地方史講座」の円滑なスタートに向け事業部と協力して推進していく。
                               (山浦 寿)
 
     
     
   
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