106回セミナー報告 2021年12月4日(土)

2021/12/04


 信濃史学会106回セミナーを2021年12月4日(土)13時30分から長野県立歴史館の講堂で開催した。伊坪達郎委員の司会進行により開会が宣言さ
れ、中野亮一県立歴史館学芸部長の歓迎の挨拶、主催団体を代表して小松芳郎本会会長の挨拶があった。
 最初に塩澤元広氏から「江戸時代の感染症と人びとの対応ー南信地方の事例から−」と題して研究報告があった。江戸中後期における雲雀沢村
(下伊那郡阿南町)と近村の史料、下市田村(旗本座光寺領、下伊那郡高森町)の史料から、疱瘡、麻疹、痢病などの実態の紹介があった。また、
乙事村・松目新田村(諏訪郡富士見町)の史料を使って、疾病対策の背景として、相互扶助の伝統、自治・自衛意識の高さなどがあったことが示さ
れた。
 青木教司氏から「旗本諏訪氏旗本知行所と松本藩における幕末の感染症対応」についての報告があった。安政5年の百瀬陣屋のコレラの流行につ
いて、流行の経路、時期、幕府から示された感染対策などについて話があった。次に文久2年の麻疹の流行と百瀬陣屋の対応として、疫病を退散さ
せる儀礼として鉄砲の打ち放しがあったこと、文久2年の麻疹とコレラの流行に対して松本藩は疫病退散のため祝祭の奨励をおこなったこと、等の
指摘があった。幕末の庶民が疫病に対峙するために隔離政策をとっていたことなどの指摘もあり、江戸時代でも今と同じ対応策をとっていたことに
驚かされた。
 参加者30名。

106回セミナー報告   2021年12月4日(土)

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