第107回セミナー(近世史セミナー)報告

2022/12/04


 第107回セミナーを2022年12月3日(土)長野県立歴史館でおこなった。
今年のセミナーは「江戸時代の大名家」と題して、信州の大名家(高遠藩内藤家、松代藩真田家)に焦点を当てて研究報告を行った。本セミナーは、信州近世史セミナー及び長野県立歴史館との3者による主催行事としておこなった。

 13時、会場館である笹本正治長野県立歴史特別館長のあいさつ、主催者を代表して後藤芳孝信濃史学会長の挨拶から始まった。
 研究報告1は、「高遠藩内藤家の参勤交代」と題して大澤佳寿子氏から報告があった。高遠藩は保科、鳥居、内藤と藩主家が代わるが、このうち内藤家8代の参勤交代について分析をおこなった。参勤交代は中山道ルート、甲州道中ルートのどちらかを使ったが、5代内藤長好(ながよし)以降は甲州道中ルートが多かった。また、参勤交代の回数は3代内藤頼由(よりゆき)が最も多く、高遠を去る際に去るのは名残惜しいといった手紙も紹介された。
 続いて研究報告2は、「真田家伝来の大名道具ー婚礼道具にみる「印」と「文様」についてー」と題して米澤愛氏から報告があった。真田家ゆかりの女性たちが輿入れの際に持ち込んだ婚礼道具の箱につけられたラベルなどから道具の来歴を分析した。一般的に婚礼道具には実家の家紋と嫁ぎ先の家紋を配するが、箱のラベルや文書をみると修復や紋を付け替えることをおこなって、母の婚礼道具を娘たちがもらって嫁いでいった例があった。また、藩主の正室らの道具や収納箱には、「〜印」と書かれた墨書や焼き印があり、来歴の手がかりになること、西条藩(愛媛県)松平家の女性には特定の「文様」が決められ、用いられており、この文様も道具につけられているところから来歴を追っていくときの手がかりとなるといった報告があった。
 参加者72名。

第107回セミナー(近世史セミナー)報告

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